注目企業特集:エドワーズライフサイエンス株式会社 TMTT事業部 クリニカルスペシャリスト O様 インタビュー

TMTT クリニカルスペシャリストインタビューVer5
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顧問 松本英嗣

医療業界専門エージェント、JCLコンサルティングの顧問。医療機器業界で営業、マーケティングを経験した後、JCLコンサルティングを2005年に設立し現在に至る。

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Interviewee:

エドワーズライフサイエンス株式会社 TMTT事業部 

クリニカルスペシャリスト  O 様

【ご経歴】10年間の大学病院勤務を経て、エドワーズライフサイエンス株式会社へ入社。クリティカルケア事業部のクリニカルエデュケーション経て、THV事業部にてTAVI事業の立ち上げ期より10年間、クリニカルスペシャリストとして携わる。2023年、新設のTMTT(経カテーテル僧帽弁・三尖弁治療)事業部にクリニカルスペシャリストとして異動し現在に至る。  

エドワーズ入社の理由の一つは、医師からの厚い信頼

松本:O様、本日はよろしくお願いいたします。まずは、これまでのご経歴を教えて頂けますでしょうか?

O様:よろしくお願いします。

私の経歴ですが、大学を卒業後、看護師として都内の大学病院で約10年間勤務しました。 消化器内科で3年間勤めた後、祖父が心筋梗塞になったことがきっかけとなり循環器内科へ異動し3年、外科の患者様の看護も経験しておきたいという事で、集中治療室で4年間勤務しています。

その後エドワーズライフサイエンス株式会社(以下エドワーズ)に入社し、最初の3年間はクリティカルケア 事業部でクリニカルエデュケーションを、次の10年間は、THV事業部でTAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation:経カテーテル的大動脈弁置換術)のクリニカルスペシャリストとして日本市場への導入から関わりました。

そして今年(2023年)、新たに発足したTMTT事業部に異動し、クリニカルスペシャリストとして再び新製品の導入に携わる予定です。  

 

松本:ありがとうございます。病院から企業、医療機器メーカーに転職されたわけですが、当時転職を考えたきっかけをお聞かせください。

O様:病院で約10年働いた頃、その後のキャリアについて考えるようになりました。病院では専門性をより高めるか、ピープルマネージメントの方に進むかという2つの選択肢でしたが、もっと広い世界で、自分を試したいという思いが湧いてきまして、そこで初めて転職を考えました。

ただ、すぐに企業でと思ったわけではなく、転職サイトで見つけた開院予定の循環器専門病院も選択肢の一つでした。  

 

松本:最終的に病院ではなく医療機器メーカーのエドワーズで働いてみようと思われた理由は何だったのでしょうか?

O様: 1つは、スワンガンツカテーテルをはじめとする当時エドワーズが注力していた製品のほとんどを病院で扱った事があり、なじみがあったことです。

もう一つは、信頼している先生に相談したところ、「エドワーズは、製品も営業さんもすごく良いよ。僕は信頼している」と言ってくれたことですね。

良い時も悪い時もしっかり評価、フィードバックが得られる

松本:企業で働くにあたり不安はありませんでしたか?

O様:まず看護師時代は夜勤もあり、週5日間病院に行く事はほとんどなかったので、「私、そんなに会社に行けるかな?」と(笑)。あとは、そもそも名刺の渡し方1つもわからない私が入ったところで何ができるんだろう?と不安を抱えながら入社したのを覚えています。  

 

松本:実際に入社していかがでしたでしょうか?
スワンガンツカテーテル

スワンガンツカテーテル

O様:最初は昼間の会議が眠くて仕方なかったですが(笑)、その問題は時間とともに解決しました。今は週5日会社に行って、夜はしっかり眠って、土日休める勤務形態になじんでいます。

当時エドワーズでは、前職が看護師で入社した社員は少なかったのですが、ビジネスマナーを始め、企業で働くにあたって必要なことを上司は手取り足取り教えてくれましたし、人事部は外部研修を用意してくれるなど手厚くサポートして頂き、不安を払拭することができました。

現在では、臨床現場から転職してきたメンバーには先輩社員がバディとなりサポートをしています。 業務に必要な知識吸収においても、エドワーズには長年働いている社員も多数いるので、看護師経験者の私たちよりも知識量がはるかに上で、質問をすると常に的確な回答を得られました。

「自分も少しずつ勉強していけば、先輩方のように知識を付けることができる」と、そこで不安が一気になくなりました。  

 

松本:「企業で働いてよかった」と思う点を教えてください。

O様:看護師は、「できて当たり前」という前提があるのであまり褒められることがないと感じていました。しかしエドワーズでは、良い時も悪い時もしっかりフィードバックを頂けました。

褒められるのはもちろんうれしいですし、良くなかった時も建設的なフィードバックや評価を頂けることは、自分の成長を促し、そして実感でき、当時の私にとってすごく新鮮でした。

もうひとつ、入社前は、企業はチームワークより個人主義というイメージを持っていましたが、入社後は企業において「チームとして働く」ということの重要性とそのレベルの高さを肌で感じ、素晴らしい経験ができていると感じます。  

 

松本:エドワーズに入社して苦労したことはありましたか?

O様:まずはやはり必要な知識の吸収ですね。私には循環器のバックグラウンドがありましたが、それでもより深い知識が求められたこともあり、相当勉強しました。

学ぶべきことは多いですが、エドワーズには知識のある先輩たちがいらっしゃいますし、同期と切磋琢磨しながら成長できる環境があります。

もうひとつは、企業人としての立ち振る舞いを習得することですね。 いざ現場に出て、顧客に対するコミュニケーション、例えば、質問に対してどう答えたらいいのか?こういう事は言っていいのか?等、最初はわからず苦労しました。

現場に出た当初は、「どうして、ああいう伝え方をしたんですか?」 「あの“間”はなんですか?」と先輩に対して質問して、いろいろな考え方を学び、病院看護師の時では持ち得ないスキルを身につけていきました。

クリニカルスペシャリストは「Patient First」に深く関わる仕事

松本:ありがとうございます。クリティカルケア事業部で3年間就業されて、その後、THV事業部に異動されたいきさつについて教えて頂けますでしょうか?

O様: 日本でのTAVIビジネスの立ち上げ時に、エドワーズで初めて、病院担当者として現場に出るクリニカルスペシャリストという職種ができたのです。 クリティカルケア事業部の仕事も楽しかったので悩んだのですが、最後は自ら行きたいと思って異動しました。  

 

松本:なぜクリニカルスペシャリストとしてTAVIに関わりたいと思われたのですか?

TAVIシステム

O様:まず「担当施設のハートチームと一緒になって新規導入に必要な仕組みを作り上げていくポジション」だと聞いた時に、元々看護師ですので患者さんや施設のハートチームとより近いところで働いてみたいという思いがありました。

もう一つは、このポジションはエドワーズが最も大切にしている「Patient First」に深く関わるポジションだからです。

「クリニカルスペシャリストの業務を営業が営業活動と並行してやればいいのではないか?」という質問を社内でしたときに、「クリニカルの側面からサポートする業務は、売上を目標とする営業と切り離すべき」という答えが返ってきました。

もちろん、企業として売上も考えなければいけないが、まずは患者様の事を第一に考えるという会社のポリシーとその仕組みが、私にとってすごく納得感がありました。 そのクリニカルスペシャリストの「モデル」を初期メンバーとして作りあげていきたいと考えていましたね。  

 

松本:実際に異動されてみて、いかがでしたでしょうか?

O様:ものすごく大変でしたが、同じような心意気のメンバーと、チームで1つのものを作り上げていくことがすごく楽しくて、仕事に没頭していました。あれほど貴重な機会はなかったと今でも思います。  

 

松本:TAVIビジネス立ち上げの時期にはどのような業務をされていらっしゃいましたか?

O様: TAVI製品はエドワーズが他社に先駆けて日本へ導入する製品でしたので、まず海外のクリニカルスペシャリストに来ていただいて、ひたすら勉強し、疑問点は全てそこでぶつけて解決しました。

そして、「こうすればもっと安全に手技を行ってもらえる」、「こうすればもっと伝わりやすい」という仕組みを自分たちの考えや感じたことを反映させて作りあげていったというのが、最初の導入時期ですね。  

 

松本:TAVI立ち上げ期以後の業務内容も教えていただけますか?

O様:TAVIの症例サポートがメインの仕事となります。製品の使い方という基本的なところから、患者さんのスクリーニングをサポートし、症例ごとの注意点を先生にお伝えして、コンセンサスを取り、症例の立ち会いをします。

症例の立ち合い中は、デバイスが適切に使用されているかを確認しながら、リスクがあれば手技中でも先生にお伝えすることがあります。 こういった症例サポート以外では、ここ20年間蓄積されたTAVIに関する様々なエビデンスの情報提供だったり、逆に情報を先生から頂いたりという業務もあります。  

 

松本:ありがとうございます。そしてTHV事業部での10年を経て今年、TMTT事業部へ異動されたという事ですが、その理由をお聞かせください。

O様:TMTTも新製品の導入なので、TAVI導入時の経験を持ち、あの苦労、楽しさを味わった私のような人間がいればお役に立てるだろうと思い、社内公募に応募しました。  

 

松本:現在は製品トレーニング中という事ですが、エドワーズに入社された時、自分が海外に行ってトレーニングを受けるような姿は想像していましたか?
Edwards Lifesciences 本社

エドワーズライフサイエンス本社

O様:まるで想像していなかったです。

本社に行ける機会はそうそうないので、とても貴重な経験をさせていただいていると思っています。

たとえば最近よく言われる「多様性」についても日本とアメリカではスケールの大きな違いを感じます。行くたびに自分の人生の幅が広がっていくのを感じますね。  

 

やりがいは、チームの一員として「ありがとう」と言われること

松本:Oさんにとって、クリニカルスペシャリストとしてのやりがいは何でしょうか?

O様:クリニカルスペシャリストはサポート業務が多い仕事です。サポート業務というとあまり注目されないイメージがあると思うのですが、先生から「今日のこの症例が無事に終わったのは、あなたがチームの一員として一緒にやってくれたからだよ。ありがとう」と言ってもらえたり、営業さんからも「サポートをしてもらえて先生との話がスムーズに行きました。

ありがとう」と言ってもらえたりします。 これが1番のモチベーションであり、やりがいの1つですね。 チームで何かを成し遂げるのが好きな人にとっては、大きなやりがいを感じられると思います。  

 

松本:病院の看護師と比べて専門性という観点ではどうでしょう?

O様:専門性については、領域は狭くなりますが、知識は広く深くなったと思います。 たとえば「弁膜症」については、エドワーズに来てからのほうが臨床的に深く突き詰めているのは間違いないです。

そして「弁膜症」を、看護師のときよりも広い視野で見ています。例えば10年先の患者さんの治療薬はどうなっているかとか、医療経済のことなど、より多角的な視点で捉えられていると感じます。これは企業に入らないと得られなかったものだと思います。  

 

松本:O様がエドワーズで継続的に頑張ろう、と思う背景を伺えますか。

O様:背景ですか…いくつかあります。 1つ目は、クリニカルスペシャリストという仕事が好きなことです。 製品や治療は奥が深く勉強を継続することは大変ですが、製品を売るだけでなく、治療の現場で安全に使用していただくことを重視し、責任とやりがいをもって取り組める仕事であることは何よりも魅力だと考えております。

2つ目は、常にチャレンジし、チームで目標に向かって仕事ができる環境だからです。 もちろん大変なこと・辛いと思うこともありますが、相談できる仲間や上司がいます。チームで何かを成し遂げることが好きな私にとっては、「自分のために」というよりは「チームや患者さんのために」という思いが自然と湧いてくることが、継続して頑張ろうと思える要因だと思っています。  

 

松本:ご自身の今後のキャリアについて、どう考えていらっしゃいますか?

O様:エドワーズはキャリアの選択肢がたくさんある会社です。実際に、THV事業部で経験した立ち上げに再び携わることになる選択肢があるとは、当時の私は考えてもいませんでした。

その為、私がこのTMTTビジネス立ち上げが完了した後にどういうキャリアを目指すかは正直自分でもわかってはいませんが、その時に目標を持って何かに取り組める環境が揃っていることは、間違いないと思っています。

例えば、専門性をもっと突き詰めるという方法もあるし、広い視野を得るために、違う職種へキャリアチェンジする機会もあるので、そこは今の仕事にしっかり取り組みながら考えて行きたいなと思います。

熱い想いを持って「Patient First」に取り組む

松本:最後に現在病院で働いている方や、クリニカルスペシャリストになりたいと思っている方、エドワーズに入社したいと思っている方に向けてメッセージをお願いします。

繋いだ手 O様:もし転職したいと思った時に「企業のクリニカルスペシャリスト」は1つの大きな選択肢になり得ると思います。

病院ではできない経験をすることができて、大変なこともありますが本当に楽しく思える仕事です。違う視点で医療を見ることで、自分の人生が変わるきっかけにもなると思います。

病院から最近エドワーズにクリニカルスペシャリストとして入社したメンバーは「エドワーズの製品を使っているのは、製品の良さだけではなく、クリニカルスペシャリストの質が高いからだ」と先生に言われたのが理由だったと話していました。

エドワーズのクリニカルスペシャリストは熱い想いを持って「Patient First」に取り組んでいます。 患者さんのことを第一に考え、症例にリスクがあれば先生にもしっかり伝えて治療についてディスカッションしてきました。

治療の先に、患者さん、患者さんのご家族がいらっしゃいます。患者さんの治療後の人生のことも考えながら、一つ一つの症例と向き合っています。 そういう先輩を見て自然と「Patient First」に基づいた考え方、行動を身に付けられると思います。 この点は自信を持って、エドワーズのクリニカルスペシャリストを目指す方々にお伝えしたいですね。  

 

松本:本日は貴重なお時間をありがとうございました。

O様:ありがとうございました。  

 

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お読みいただきありがとうございました。 今回インタビューさせて頂いたO様が現在所属する、TMTT(経カテーテル僧帽弁・三尖弁治療)事業部、事業部長様からのメッセージも是非ご覧ください。

 
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