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著名医師に聞く:「脊椎手術は、患者ごとに“最適解”を探し続ける医療」関西医大附属病院 整形外科 講師 石原昌幸 先生 

2026/02/25

2026/02/25

目次

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石原昌幸 先生 

略歴:
2004年 関西医科大学医学部卒業
2006年 関西医科大学 整形外科入局
2006年 関西医科大学附属男山病院 勤務
2007年 関西医科大学附属滝井病院 勤務(現:関西医大総合医療センター)
2009年 関西医科大学附属滝井病院(現:関西医大総合医療センター)助教
2017年 関西医科大学救命救急外傷センター 副センター長
2018年 関西医大附属病院整形外科 助教  
2025年 関西医大附属病院整形外科 講師 現在に至る  

所属学会:
中部整形災害外科学会/日本整形外科学会/日本脊椎脊髄病学会/日本脊椎インストゥルメンテーション学会/日本脊椎・脊髄神経手術手技学会/日本低侵襲脊椎外科学会/日本腰痛学会/日本最小侵襲整形外科学会/日本成人脊柱変形学会/日本側弯症学会/最小侵襲脊椎治療学会など

資格:
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会専門医認定脊椎病医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
日本脊椎脊髄外科専門医―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

德江:石原先生、本日はよろしくお願い致します。最初に、脊椎手術はどのような患者さんに、どのような治療を行うものなのか、脊椎手術分野未経験の方にも分かるように教えていただけますでしょうか。
石原先生 :よろしくお願いします。まず、脊椎手術は本当に対象が幅広い分野です。一番多いのは高齢者の変性疾患、いわゆる脊柱管狭窄症などですが、それだけではありません。救急で搬送される外傷、がんの転移による脊椎病変、小児の側弯症、さらには脊髄損傷まで含まれます。

年齢層で見ると、若い方から超高齢者までさまざまですし、疾患も慢性疾患から緊急性の高いものまで多岐にわたります。

「脊椎手術」と一言で言ってしまうと、実際の幅広さはなかなか伝わらないかもしれません。

德江 :他の整形外科領域と比べても、かなり範囲が広い印象ですね。
石原先生 :そうですね、脊椎は術式の種類が非常に多く、その分専門性も高く、経験や判断力が求められる領域だと思います。

德江 :先生のご施設で多く行われている代表的な手術には、どのようなものがありますか。
石原先生 :うちの施設では、高齢者の変性疾患が最も多いですね。全体の8割ほどは脊柱管狭窄症や、いわゆる「腰曲がり」と言われる成人脊柱変形です。手術内容としては、除圧手術、固定術、矯正手術、圧迫骨折に対するセメント治療などがあります。

德江:アプローチ方法も非常に多いですよね。
石原先生 :そうなんです。固定術一つを取っても、背中側から、側方から、前方からなど、アプローチはさまざまです。内視鏡をはじめとした低侵襲手術も増えています。

他の整形外科分野と比べても、脊椎は「選択肢が多い」というより、「多すぎる」と言っていい分野だと思います。

德江:手術を行う際に、先生が最も大切にされていることを教えてください。

石原先生:一番大切なのは、患者さんの満足度です。どんな手術であっても、最終的に患者さんが満足してくだされば、それが何よりだと考えています。

治療法の選択においては、病態に基づき、患者さんにとって最も侵襲が少なくメリットの大きい方法、その中で自分が最も得意な方法を選びます。

それに加えて、一人暮らしかどうか、家族のサポートがあるか、仕事や農作業への復帰を希望されているかなど、生活背景も重要な判断材料です。

德江:日本全体での脊椎手術の症例数や、今後の見通しについて教えて頂けますでしょうか
石原先生 :データベースを見ると、日本全体で脊椎手術は年間およそ20万件ほどです。除圧と固定がほぼ半分ずつですね。

近年、手術のハードルが下がっており、症例数は増え続けています。例えば内視鏡手術では局所麻酔で行えるものもありますし、低侵襲固定術の普及で、これまで手術が難しかった超高齢者も治療の対象になってきています。

日本の人口は減少傾向にありますが、高齢者は増えています。ですので、今後も急激ではないにしても、手術件数は緩やかに増えていくと考えています。

德江:例えば循環器などほかの手術領域にも言えることなのですが、まだ治療につながっていない患者さんもいらっしゃるのでしょうか。
石原先生:そういった患者さんは、正直、まだかなり多いと思います。特に地域差は大きいですね。

たとえば圧迫骨折では、受傷後早期にBKPなどのセメント治療を行った方が成績が良いことはかなり明確になってきていますが、依然として保存療法を選択する施設も少なくありません。圧迫骨折に限らず、正しいタイミングで介入できれば大きな手術を減らせる可能性がある症例は未だ数多くあり、潜在的な患者さんは多いと感じています。

德江:脊椎手術分野のこれまでとこれからの技術的な進歩についてお伺いできますでしょうか。
石原先生:ここ10〜15年で、脊椎分野は本当に大きく変わりました。経皮的スクリューの導入が低侵襲化のスタートとなり、その後側方進入固定、さらに近年では2ポータル内視鏡手術が急速に広がっています。

さらにはナビゲーションや手術支援ロボットも導入されており、今後も技術革新は続いていくと思います。

德江:ロボット手術は様々な手術分野で導入が進んでいる印象を持っていますが、脊椎手術においての現状と将来についてはどのようにお考えですか?

石原先生:現在の日本における脊椎ロボット手術は、主にスクリューを入れる位置決めに使われています。ロボットが正確な位置で静止してくれるため、安全性の担保、医療従事者の被爆量の低減(術中透視が不要)、術者の疲労軽減という意味では非常に有用です

ただし、導入できる施設は限られており、コストも高いという現実があります。また、経験豊富な医師であれば、必ずしもロボットがなくても手術は可能です。

教育の観点では、若手医師がロボットに頼りすぎてしまうと、基礎的な技術が身につきにくくなる懸念もあります。そのバランスが今後の課題だと感じています

将来的には、術者が遠隔で手術できるロボット手術が、脊椎手術においても可能になるのではないかと考えています。

德江:先生にとって、医療機器メーカーはどのような存在でしょうか。また、信頼できるのはどういった担当者でしょうか。
石原先生:脊椎領域において、医療機器メーカーは完全に「2人3脚のパートナー」ですね。メーカーからの情報提供や製品の選択肢がなければ、良い治療はできません。

信頼できる担当者についてですが、信頼は短期間では築けません。緊急時の迅速で柔軟な対応、医師とともに手術に真摯に取り組む姿勢、最後まで患者さんのことを気遣う心、そういった対応や姿勢を積み重ねられる方が信頼を得られるのだと思います。

德江:最後に、脊椎領域の医療機器メーカーに転職を考えている方へメッセージをお願いします。
石原先生:脊椎領域は、医師とメーカーの距離が非常に近く、一緒に治療を作り上げていく実感を持つことができます。新しい技術が次々に出てきますので、学び続けることが好きな方には非常にやりがいがある分野です。

転職を考えるなら、成長している、勢いのある将来性のあるメーカーをしっかり見極めて選んでほしいですね。

德江:石原先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。
石原先生:ありがとうございました。

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