キャリアインタビュー(Oさん 40代中盤 男性 業界経験15年)異業種から医療機器業界へ。営業、営業マネジャー、マーケティングを経て現在は営業・マーケティング統括

この記事を書いた人
顧問 松本英嗣

医療業界専門エージェント、JCLコンサルティングの顧問。医療機器業界で営業、マーケティングを経験した後、JCLコンサルティングを20005年に設立し現在に至る。

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異業種から医療機器メーカーに入社し、約15年。営業、営業マネージャー、マーケティング、営業・教育・マーケティング統括と順調にキャリアを重ねられています。Oさんの医療業界に飛び込んでから現在までをお伺いしました。

 

医療機器業界に入ったのは、チャレンジが好きな自分に合っていると思ったから。

JCL:まずは医療機器業界に入ったきっかけを教えてください。

Oさん:医療機器業界は医療従事者が顧客となり、常に自分にプレッシャーをかけて、継続的に勉強していかなければならない。そういう環境で仕事をすることは、チャレンジするのが好きな私に合っていると思ったし、身に付けた知識を武器としてキャリアアップできるのではないかと思ったのが理由です。

あとは同時に受けていた他業界より給与水準が高かったこと、面接官のレベルの高かったことも理由です。

 

JCL:医療業界に入ってそれまでとのギャップや戸惑いはなかったですか?

Oさん:命に直結するものを取り扱っているので、間違いは許されないというプレッシャーは非常に強く感じました。ただ、それを分かった上で医療機器業界に入ったわけですから、特にギャップや戸惑いはあまり感じませんでした。

 

営業はまず、「真面目に、誠実に」。医療機器であっても結局「モノでなく人間を売る」

JCL:Oさんは営業として非常に高い実績を挙げていらっしゃいますが、医療機器の営業として成功するために大切なことは何だと思いますか?

Oさん:顧客である医療従事者との間に信頼を確立することだと思います。どこの業界も同じですが、売る人間に信頼がないと買ってくれない。ましてや医療機器なのでなおさらですよね。ただ逆に一旦ドクターから信頼を得られれば、それは非常に強いと感じます。

 

JCL:どうすればドクターから信頼を得られるのでしょうか?

Oさん:まずは真面目・誠実であること。次にドクターが何を欲しているのかを的確につかんでそれに対して確実に応えて行くことだと思います。例えばドクターがどういうテーマを追求していきたいのかを掴んで、それに対しての資料提供や情報提供を行うなど、「製品」以外のニーズに対しても繰り返し応えていく。そういったプロセスの中で、結局よく言われているように「モノを売るのではなく人間を売る」ことを実践していくことだと思います。

 

部下には、「どうしたら仕事が楽しくなるか」を教える。チームワークの醸成も重要。

JCL:営業マンを経てマネージャーとしても課の数字を達成し高い実績を挙げていらっしゃいますが、成功要因は何だとお考えですか?

Oさん:まずは営業マンのレベルの底上げが出来たこと、もう一つはしっかりしたチームワークを形成できたことだと思います。どうやって営業マンの底上げに成功したのでしょうか。

成績の悪い営業マンは話がつまらないし、ドクターが自分の話を何でつまらないと思うかが分からない。できる営業は常に笑顔なのですが、出来ない営業は自分と相手がつまらない繰り返しでどんどん暗くなっていく。悪いスパイラルに入ってしまうのですね。

あくまで私の考えですが、もちろん製品PRは大事ですが、一方的に製品のPRだけして帰ってきても営業もドクターも面白くないのは当然ですよね。例えばそういう営業マンと同行して、ドクターの興味の対象を嗅ぎ取って「今度はこういう話をしてみろ、こんな資料を持っていてみろ」というアドバイスする。その通りにすると先生は「待ってました」と興味をもって、その営業マンは初めてキャッチボールができる。それを繰り返すことによって仕事が楽しくなり、営業マンのレベルは上がっていく。結局どうすれば仕事が楽しくなるかを教えるのが大事なのだと思います。

 

JCL:負のスパイラルに入っている営業マンをそこまで持っていくのは、かなり難しいことだと思いますが。

Oさん:その人間を知るためにはアクションを起こさないといけないですし、洞察力も必要です。私の場合は新しい部下を持った時、まずは積極的に同行して営業スキル、キャラクター、ドクターとの会話の内容等、様々な部分の見極めをし、どのようにスキルアップさせるかのプランを立てていました。その後は自分で直接フォローしても良いし、中堅の営業リーダー格に任せてもいいし、チームとしてサポートしてもよい。

壁に当たっているのであれば、壁を越えるために後ろから少し押してあげたり、ヒントを与えたりする。しかも難しく成功させるのではなく、できるだけシンプルな方法で。それができると教えるほうも教えられるほうも快感ですね。

 

JCL:もう一つの成功要因、チームワークを形成するために行ったことは?

Oさん:まず全員で参加する企画やイベント、例えば製品・手技の勉強会や課内のレクリエーションなどを積極的に行いました。それらを通じて人間関係を深めることによって、仕事中でも質問や相談など遠慮なく言い合えるようになるし、仕事以外の悩みなどもお互い話せるようになる。また、それらを課の中堅社員であるサブ・リーダークラスに積極的に企画・実行させました。そうすれば次世代のリーダーを育成することにもつながります。

結果、どちらかというと前職は個人主義が強い社風でしたが、自分の課は全員で助け合って数字を達成しようという雰囲気を形成することが出来ました。自然と進捗が遅れている人間にアドバイスをしたり、私に対して、いい意味で他の営業マンのウィークポイントを指摘し、このようにアドバイスしてほしいと依頼があったり。高い数字を残せたのはこういったチームワークによるところが大きいと思います。

 

希望していたマーケティング部門へ異動し、最初は戸惑ったが、営業の視点を取り入れたマーケティングを実践。

JCL:その後マーケティング部門に異動されていますがきっかけは何ですか?

Oさん:マーケティング部門に異動したいとは営業時代から思っていました。もともとマーケティングには興味がありましたし、KOLを多く担当していましたので、実際にマーケティング部門と仕事をする機会は非常に多かったのです。一番はやはり自分の幅を広げたいという思いからでした。営業部門、マーケティング部門双方に異動の希望を伝え、組織改編のタイミングで異動しました。

 

JCL:マーケティングを経験した後のキャリアに関しては何か考えていましたか?

Oさん:マーケティングが自分に合っていたらそのままステップアップしても良いし、もし営業として戻ってくることがあっても、マーケティング部門から営業を見ることによって新しい視点を得て、レベルを上げて戻ってこられるのではないかと思っていました。

 

JCL:営業からマーケティング(プロダクトマネジャー)へ異動になり、最初戸惑うようなことや、苦労した点は?

Oさん:最初は営業の立場に立って物事を考えてしまい、以前からマーケティングにいた人間と意見が合わなかったこともありましたね。どこの会社でもあることだと思いますが、営業は目先の数字、つまり今月、来月、今期の数字を追っている。一方マーケティングはもっと長いスパンを見据えて戦略を立てている。その部分でどうしても意見の相違が発生します。

営業とマーケティングの間で板挟みになったこともありましたが、なんとかバランスを取りながら営業の経験を生かしたマーケティングをしようと心がけました。それまで欠けていた営業の視点を取り入れて戦略を立てたり、ツールを作成したり、人脈を利用して営業とのコミュニケーションを円滑にしたりするように努めていました。

 

JCL:マーケティング理論などはどのように学習されたのでしょうか?

Oさん:もともと興味がありましたので、マーケティング理論の本を読んだり、ケーブルTVのマーケティング講座を見たり、自分でマーケティング講座を受講したりしていました。また、営業時代にマーケティング部門と多く仕事をしていたので、彼らの考えかた、仕事の進め方は最初からおおよそ理解していました。

 

JCL:英語はどのように学習しましたか? マーケティング業務を行ううえで英語力は問題になりませんでしたか?

Oさん:医療の専門用語には苦労しました。常に英文の文献を読んだり、英語の新聞で医療のコーナーを読んだりして勉強していましたね。会話に関しては、日常会話は問題ありませんでしたし、電話会議、海外からのアテンド以外はEmailが主でしたのでそんなに苦にはなりませんでした。

 

現在は、立ち上げ事業の営業、マーケティング、教育の統括。成長を続け、将来的には事業部長クラスを目指したい。

JCL:その後現職に転職されましたが、そのきっかけは?

Oさん:前職で営業とマーケティング部門でやりたかったことをひとまず達成したという思いがあり、新しい環境の中で新たなチャレンジをし、更に自分を伸ばしていきたいという思いがありましたので。

 

JCL:現在の業務内容を教えてください。

Oさん:医療機器メーカーで、まだ立ち上げ時期で比較的小さな組織ですが、営業、マーケティング、教育など幅広い分野をマネージャーとして兼務で管轄しています。

 

JCL:転職活動は如何でしたか?結果には満足していますか?

Oさん:結果には満足しています。せっかくの機会であったので多くの企業のお話を伺い、自分でも色々な製品・手技・マーケットを研究しました。それにより今まで特定分野しか知らなかったのが、視野がかなり広がったと思います。そのときに勉強したことが今の仕事でドクターとの会話に出てきたりして、結構役立っています。

 

JCL:転職活動中「もっとこうしておけばよかった」と思ったことはありますか?

Oさん:TOEICの点数をもう少し取っておけばよかったと思いますね。転職活動時は700中盤の点数しか持っていなかったのですが、もっと高い点数を持っていて英語でのコミュニケーション能力の裏づけに出来ていれば、もっと有利な転職活動が出来たのではないかと思います。

 

JCL:今後のキャリアビジョンは?

Oさん:自分の経験や実力を冷静に分析して、足りないところを成長させ、最終的には事業部長クラスを目指したいと思っています。そこで常に成長するチームをつくるのが目標です。

 

JCL:医療機器業界でキャリアアップを目指す方々にメッセージを

業界の性質上、画期的な新製品の発売、手術手技の向上などに伴う日々の勉強をしなければなりませんし、また常に健康や命と直結している仕事なので大きな責任があります。そういった環境の中で誠実に、真剣に仕事に取り組むことは、自分を大きく成長させると思いますし、我々はDrではありませんが人の健康・命を預かる事にかかわっている事のすばらしさを実感出来ると思います。

 

JCL:ありがとうございました。

 

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